芳乃「……さっぱりわかんねー」 広明「わかんねえって、お前ね」 芳乃「うるせえなあ、わかんねえからわかんねえんだよ!」 広明「わかんねえわかんねえって、お前はわかんねえ教の信徒か!信徒なのか! カルトなのか!カルトな思想に俺を巻き込もうっつーのかよ!ハルマゲドンか! 人類救済か!幸福は幾何学模様で出来ているってわけかよ!」 芳乃「ちげーよ!うるせーな! なにがわかんねえ教だ!お前の頭がよっぽどわかんねえよ!」 広明「あ、待って待って。殴るな殴るな。ヘイ、ここは穏便に行こう」 芳乃「……あっそう」 広明「で、なにがわからんのだ」 芳乃「……」 広明「あ? なんだよ。黙ってちゃ俺にもわからんぞ」 芳乃「……」 広明「お前さんねえ、俺に任しときゃなんでもパツイチですぜ? 位置か?それとも展示物の内容がすこっしも頭に入ってこねえってか?」 芳乃「……」 広明「まあなんといっても広大なこの大地、しかも樹木広がる大自然ときてやがる。 迷わないほうがおかしいってもんさな。地図あるけど」 芳乃「……」 広明「それによお、博物館の展示内容を、そんな簡単にわかってたまるかッつー話だよ。 わかるわけねえべ?わかんねえべ?そんなもんだべ」 芳乃「……」 広明「お兄さんに、何がわからないか話してみなさい。 君の心の迷いをすぐさま解消してぱらいそへ連れて行って差し上げよう」 芳乃「……」 広明「だから、黙ってたらなんにもわからねえっつってるじゃねえか」 芳乃「……か……」 広明「おう」 芳乃「か、漢字……読めない」 広明「……」 芳乃「……」 広明「……バーカ」 芳乃「ぐうう……桜の木に埋めて殺すぞ!!」 広明「変な学はあんだねえ」 「北大植物園」(札幌)
|