郁穂「なっんでさぁ! こんなうらびれたところに来ちゃったわけなのよッ!」 片辺「おかしいねぇ」 大澤「……ふ、ふむ。むぅ。北と南を間違えたか」 郁穂「間違え方がダイナミックすぎよ!なにこれ!目的地の住所と正反対じゃない!」 片辺「郁ちゃん、なんでわかんの?」 郁穂「信号見なさい信号を。住所書いてあるでしょ」 片辺「あ、ホントだ」 郁穂「しっかしやっぱ田舎は田舎ね!ド田舎よ!北端よ! 寂れてるところはホント、ドさびれてるってわけね!」 片辺「いやぁ、志木島と変わらないような……なぁ?」 大澤「志木島より店は多いな。ここに比べたら志木島のほうが」 郁穂「店って、なんか得体の知れないボロっちいところばっかりじゃない。 なにあの店!なんで大魔神がレコード担いでるのよ」 片辺「モチーフってだけじゃないかな」 大澤「ふむ。あの看板も面白いな。蝦夷麦酒か。鮭でも入ってるんだろうな」 郁穂「酒だけにね!大澤君、減点30!」 大澤「う、うむぅ」 片辺「まあまあ。あ、なんかあの看板の店にカレー屋あるみたいだよ」 大澤「カレーか。カレーはいいな。カレーは世界を救う食物だ」 片辺「救うのか?」 大澤「うむ」 片辺「自信満々に言われても」 郁穂「そろそろお昼も過ぎるし……お腹空いたわね。優也君は?」 片辺「おれもだなぁ。んじゃ、お昼にしよっか。大澤はカレーでいいのか?」 大澤「うむ。なんといってもカレーは世界を救うからな」 郁穂「スプーンですくって食べるからね!大澤君!減点30!」 大澤「う、うむぅ」 片辺「はいはい。ま、ガイドブックにも載ってるから有名な店なんじゃないかな」 郁穂「そうねぇ。チョーっオイシイことを、うん、期待するわ」 片辺「そうだね。そうだよ、そうに決まってるんじゃないかな」 郁穂「そうね。信じたわよ」 「狸小路」(札幌)
|