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Event CG04

まるでプールを監視する係員のように、会場をよく見渡せる一段高い台に灯はいた。
傍の足元には小百合がうずくまるように床にはべっている。
それだけならいつもの光景だが、彼女が腰を下ろしているモノが変わっていた。
女「うぅっ……うぅっ……くぅ……」
それは、人間の女だった。
まだ若い、少女と言ってもいい歳ごろで、中々に整った顔だちなのだが、その顔は今は苦痛に歪んでいる。
両手両脚の枷をそれぞれ天井から下がるロープにつながれて吊るされている。
その腹の上に、灯は優雅にカクテルを傾けながら腰を掛けているのだ。
小百合「ああ……公孝さん、来てくださったのですね……」
呟くように言う小百合を無視し、僕は灯に挨拶した。
公孝「や、遊びに来たよ。なかなか風流な椅子に座っているねぇ……」
灯「ああ、これ、145号のこと? 躾中に粗相をしたから今日は罰として椅子にしているの。
気絶しないで会の最後まで耐えるのが約束よ」
だが、不自然な姿勢で吊るされただけでも苦しいのに、胴体に大の大人の体重を受けている『椅子』は、
既に息も絶え絶えで、どうみても今夜のフィナーレまでは持ちそうにない。

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