ストーリー

ここではない世界のとある大陸。 100年近くにも及ぶ権勢を誇った『ギラン帝国』が滅亡し、 時代は群雄割拠へと突入した。 数々の強国の中で、『ゴルガ王』率いる北の大国グレイブロは もっとも覇に近い存在であった。 その王子である『グレン・グレイブロ』は次代の王として相応しい活躍をし、 父の覇業を支えていた。 だが、大陸公路の要所である ガリュス国へ侵攻した事が破滅の始まりであった…… ガリュス全軍を率いる騎士団長『フレイ・クルール・プリンシペア』。 彼女の手により父王は討ち取られ、 自らも瀕死の重傷を負ってしまう。 グレンは、辛うじて一命を取り留めたものの ガリュスに捕らえられてしまう。 囚われの身となったグレンは、 重罪人として≪去勢の刑≫を申し渡され、 民衆の前で男性器を削がれる。 ガリュスは女性上位の国であり、 他国の男……しかも敵国の男など虫けらも同然だった。 それだけでは終わらず、身動きの取れないグレンに対し行われる、 女達からの死よりも耐え難い屈辱の数々―― 地獄のような日々であったが、フレイと再戦し、 討ち倒すという想いだけを心の支えに耐え抜いていた。 女達の性玩具にされ、弄ばれる度に強くなっていく、 羨望にも近いフレイへの想い。 しかし、そのフレイ自身から永遠の別れと共に 最下層の牢への移送が告げられる。 ……………………… ……………… ……… そこは光の届かぬ地獄のような場所だった。 生きているものは地を這うおぞましき蟲達だけ…… 闇の中で彼女を討ち倒すという希望は妄想となり、 妄想は欲望を色濃いものとする。 いつしか、フレイへの想いは完全に狂い捻じ曲っていた。 「どんな手を使っても討ち倒す……フレイ……フレイよ!  俺はお前を必ず手に入れてみせよう!!」 妄想だけが身体を満たし、自分の生死も理解できなくなった時、 亡き父王から譲り受けた指輪が暗闇の中で輝き始めた。 「……蟲に好かれし男。お前にささいな力を与えてやろう」 黒く歪んだ想いに引き寄せられるように 闇の中から現れた男が身体をひと撫ですると、 グレンの身に≪触手≫と≪蟲≫を操る力が宿る。 顔を上げると男はすでに消え、 代わりに左手の指輪――『羅針器』が語り始める。 『……思うがままに進め。今はお前がお前を導く』 その言葉に軽く頷き、グレンは一人の女の名を心に噛みしめ、 ≪自分の足≫で牢の外へと歩み始めた。 ガリュスの女達に復讐する為、 いや、フレイと再び相見える為に……

キャラクター

フレイ・クルール・プリンシペア
CV. 片倉ひな

ガリュスの王権を握る4公の一つ「プリンシペア家」 出身の姫騎士で、第二王位継承権を持つ。 武才に長けており、まだ若いながらも騎士団長の地位に就いている。 国民に圧倒的な人気を誇り、凛々しく毅然としたその姿から 『白銀のフレイ』と呼ばれている。